【2024年10月8日】
さて今日は、【顔面神経麻痺】についてお話していきます。事故などで突如顔の神経が傷付き、しっかり笑うことができない、話すことすらも難しくなってしまうケースがあります。ですが、適切な対処を行えれば事前に防ぐことも出来ますので、今日の機会に是非覚えていただけると良いです。
症状としても軽症から重症まで様々で、それぞれの原因と対策をお話していきます。まずは現状把握として【柳原法】という評価方法で、重症度をみます。点数は、問題なく出来れば4、多少違和感がある場合は2、全く動かない場合は0点で計算します。
1)安静時非対称 4ー2ー0 (点)
2)額のしわ寄せ 4ー2-0
3)軽い閉眼 4ー2ー0
4)強い閉眼 4ー2-0
5)片目つむり 4ー2-0
6)鼻翼を動かす 4ー2-0
7)頬をふくらます 4ー2-0
8)口笛 4ー2-0
9)イーと歯を見せる 4-2-0
10)口をへの字に曲げる 4-2-0
計40点満点で何点になるかで重症度を確認します。
軽度麻痺⇒20点以上。外来で薬物療法。
中等度麻痺⇒12点~18点。外来で薬物療法。
重度麻痺⇒10点以下。入院の必要あり。
以上が検査方法と簡単な対処法です。神経が傷付いてしまうと神経麻痺を起こしてしまいますが、具体的にどのように神経が傷付いているのか。主に3パターンに分かれます。
1)脱髄
2)軸索断裂
3)神経断裂
軸索という神経があるのですが、その神経を覆っているのが髄鞘と言われます。その髄鞘が傷付き切れてしまうと、【脱髄】と言われます。
軸索が損傷してしまうと、【軸索断裂】と言います。この二つは比較的軽傷です。
神経断裂は軸索と髄鞘ともに断裂している状態です。こちらは症状としては一番重く、神経が完全に断裂している状態を指します。そして大事なのは、リハビリをすることです。顔の筋肉を適度に動かし神経の働きをよくする必要がありますが、このリハビリをしっかり行わないと【迷入再生】というのを起こしてしまうリスクがあります。
迷入再生とは、神経が正しく伝達されていない状態で、例えば目の筋肉を動かそうとしているのに口が動いてしまう(異常共同)ことや、口が開かない(顔面拘縮)といった症状がでてしまいます。左右対称に顔の筋肉を動かせないというのも迷入再生にあたります。別の神経と別の神経が繋がってしまうとそこから正常に戻すことは難しいとされますので、いかにリハビリ期間が大事かということが分かると思います。
リハビリ期間は過度に筋肉を収縮させたり、鍼や電気などで刺激を与えないほうが良いです。適度に筋肉をマッサージして刺激をする、特定の部位を数回動かすなどの軽めのリハビリをするようにしてください。あとは、過度に顔の神経に負担が掛かれば顔面神経が傷んでしまうので、出来るだけ繊細に顔は動かして触るようにしましょう。ご参考までに(^^)